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470級全体の情報 日本470協会の公式ウェブサイト
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ヨットの種類
大学ヨット部が乗るヨットは、470級とスナイプ級という2人乗りディンギーです。
(古くはA級ディンギーがありました。)
470級は全長が470cmであることが由来となっていて、小柄な日本人体系に合い、オリンピック種目でもあることから日本では最も普及しているディンギーです。
スナイプ級は2枚の帆(メインセール、ジブセイール)だけで帆走しますが、
470級は風下へ向かう時にスピンネーカーという3枚目のセールを使うのが特徴です。
また、470級はクルー(前に乗る人)がトラッピースワイヤにぶら下って船の傾きを抑えますが、
スナイプ級はベルトに足首をひっかけて体を外へ外に出すこと(ハイクアウト)で船の傾きを抑えるためのも大きな特徴です。
スナイプ級はコックピットが広く大柄な選手でも乗りやすいですが、船の機能・構造がシンプルなため470級ほどにはスピードが出ません。
トラッピーズワイヤーがなく強風では体力が必要な半面、繊細なテクニックで勝敗を分ける面があり、幅広く親しまれています。
ヨットレース
ヨットレースはアンカーで固定されたマーク(ブイ)を反時計回りに周り、順位を競います。
得点≒順位となるので、総得点が少ない方が勝ちという珍しい競技です。
艇の進方向や位置関係によって優先権があり、優先権を上手く使いながら、相手よりも良い風を掴みながら帆走した艇が順位をあげていきます。
レース中には艇同士の接触や、接触しかけて回避する場合がありますが、レース終了後にお互い申告することになります。
(レースは広い海面を使って行われ、審判があちこちいる訳ではないので仕方ないことです。)
また、レースの勝敗はスタートが大きく左右します。
スタートは風上に向かって走るので、スタートが遅れると前を走る艇に風を遮られ、差が開いてしまうためです。
スタート
ヨットレースのスタートは、陸上競技とは全くことなります。
スタートラインは海上に白線を引くことは出来ず、本部船を起点とした仮想のラインとなります。
そして、号砲と同時に走り出すではなく、予め予定されているスタート時刻(例えば 9:00:00)が決められていて、
スタート時刻にスタートラインを超えていなければOKとなります。
したがって、スタートラインのすぐ手間からスタートするよりも、加速を考えた分だけ手前で待ち構え、
10秒ぐらい前から走り始めて加速し、フルスピードに到達してからスタートラインを横切った艇が有利です。
実際には、厳密に分からないスタートラインとの距離感が掴みにくく、多数の艇とのかけ引きが相まって、
スタートラインを超えてしまうことが多々あります。
多くの艇が超えてしまった場合は、ジェネラルリコールとなってスタートのやり直しになります。
少数の艇が超えた場合は、レースは続行されます。超えた艇は一度スタートラインの前まで戻る必要があります。
超えたことをレース終了まで審判は教えてくれないので、超えたことに気づかず(あるいは超えていないと思い込んで)
レースを続行した場合は失格となります。
ヨットが進める方向
ヨットが進める方向は風向に対して約45°が限界です。それ以上に艇を風向へ向けると失速します。
また、風に対して横に進むアビームが最も速く、僅かに風下へ向かう方向で最高速度になります。
風上へ行くには
ヨットの構造は左右対称になっていて、艇の右舷から風を受けるスターボードタックと、艇の左舷から風を受けるポートタックで
走ることができます。この90°向きを変える動作をタッキンギと呼び、これによって、風向に対して約45°が限界であっても、
風上へ辿り着くことができます。優先権のない相手を妨害しない限り、タッキングに制限はなく、各艇が有利な海面を通過するよう、
タッキングを繰り返して風上へ走ります。
順位は風に対するポテンシャルで決まる
スタートから最初のマークは風上にあり、クローズホールで走りますが、艇の順位は前後で決まるのではなく、
風に対するポテンシャルで決まります。つまり、45°方向に位置する艇は同じ順位になります。
風上に上るためのセンターボード
ヨットが風上へ進む原理として、飛行機の翼のような形状をしたセール(帆)による揚力を説明するのが一般ですが、
その前に重要なのが、艇の底にあるセンターボードで、進行方向には水の抵抗が少ないよう薄い板で出来ていています。
470やスナイプでは出し入れできるようになっていて、風上へ上るクローズホールドでは出し、風下へ下るランニングでは持ち上げ(収納)します。
同じ役割でクルーザではキールと呼ばれていますが、キールは出し入れができません。
センターボードは、横風を受けても艇を直進させる役目があります。
センターボードを収納した状態であれば、セールが風を受けも艇が風に流されて、艇は横に傾きませんが、
センターボードを出して風を受けると、艇にはモーメントがかかり傾こうとします。
強風下では何もしなければ艇は転覆(チン)してしまいます。また、艇が傾くとセンターボードが有効に働かなくなるので、
体重によって逆のモーメントを働かせて艇を水平にキープするようにします。
